Sauvage

「Sauvage」鉛筆デッサン(2015年4月)

表題の「Sauvage」とは、ソバージュというヘアスタイルで耳馴染みの言葉であるが、本来は「野生の」という意味だそうだ。「wilde」でも同義であるが、ついフランス語で言ってみたくなる。何かちょっとかっこいいから。金沢からきてくれたこのモデルは、アトリエに入ってきた時、洗練されたファッションセンスで身を包んでいたので、一見華奢な印象を受けた。そのため、着衣を脱いでモデル台に立った時のインパクトは大きかった。さらに昼の休憩時間には、このモデルによる歌唱が披露された。ヒップホップからバラードまで、しびれるような甘い歌声で歌う。会場の誰もが酔ってしまう。「ギャップ萌え」ってやつだ。
このモデルの肉体において最も魅了されたのは、体幹部の筋群や腕に脈打つ太い血管である。普段名古屋ROJUEでは、全身を入れて描くことが多いが、この時ばかりは腹筋を大きく画面中央に描きたくなり、トリミングすることにした。また腰に預けた腕の肘先が尖っていて美しかったので、背景や反射光を操作して際立たせてみたり、頭部を逆に暗くして謎めいた印象にしてみたりするなどの工夫を施した。背景に入れたドアは、描いた直後は、描くべきではなかったのでは、と思ったが、今こうして見ると意外と気に入っている。
余談であるが、この頃の自分は、「手技手法は、物の見方に従属する」という一義的な考え方に囚われていた。もちろんその考え方自体間違いではないのだが、風景などの刻刻と変化する状況下では、ひとつの考え方に囚われないようにする柔軟さが求められることを学んだように思う。

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