春を待つ

2013 春を待つ 油彩
5年前に描いた絵を公募展に出展したら受賞したのでご報告まで・・・。
第31回 日本の自然を描く展
自由部門 『春を待つ』F10号 油彩 優秀賞
作品展示期間
【第1・2期】平成30年8月 9日(木)~8月18日(土)
【仙台展】 平成30年8月31日(金)~9月 5日(水)
【西日本展】 平成30年9月27日(木)~9月30日(日)
この作品を描くモデルとなった風景は実在し、名古屋市名東区の生涯学習センターの雑然とした美術準備室の風景からインスピレーションを得て描いたものだ。この場所は非常に狭く薄暗いため、現場で描くことができたのはいくつかのスケッチのみだった。そのため、実際の制作は自宅のアトリエで行うこととなったのだが、その過程の中で構想がどんどん膨らみ、描き上げてみると実際とは全く異なる風景となった。いわばこの作品は写実画というよりは、心象画であるといった方がしっくりくる感じだ。窓や円形のテーブルは実際よりも大きくデフォルメしてあるし、石膏像もいくつか増やし配置や光線の入り方も変えてしまった。テーブルの上のケトルや書きかけの便せんなどのモチーフも、実際にあったものではなく、自宅にあったものを参考に創作したのだ。さらに窓の外に描いた煉瓦の窓も空想によるものである。
この絵を描き始める以前、自分の愚かな行いによって、とりかえしのつかない悲劇を招いてしまった。哀しいことだが、自分の性分の愚かさは、どれだけ直そうと努力しても、気が付けばいつも繰り返してしまう。子どものころから今に至るまで、僕はいつも自分で自分を孤独にしてしまう・・・。重厚な煉瓦造りの洋館は、自分の堅い自我を象徴する。閉ざされた鉄格子のある窓は断絶を意味し、窓辺で書こうとする手紙は、何度書き直しても白紙のままである。2013年冬。窓辺で雪融けを願いながら、言葉にできない手紙を書こうとした自分がいた。今もなお、訪れることのない春を待ちながら・・・。
受賞おめでとうございます\(^o^)/
名古屋ではこの展覧会は見れるんでしょうか?
最初の期間は東京展ですか?
コメントありがとうございます。
返信が遅くなりすみません。
それぞれの展覧会場は、
【第1・2期】東京展 上野の森美術館
【仙台展】せんだいメディアテーク2階
【西日本展】原田の森ギャラリー2階
となります。(あいにく名古屋では展示は行われません)
もし御用で出向かれることがあればお立ち寄りください。
詳しくは、http://www.ueno-mori.org/exhibitions/main/shizen/をご覧ください。