バルブを開けろ!

画家フランシス・ベイコン(英1909~1992)の残したシビれる言葉に「感情のバルブを開けろ!」という言葉がある。現代人は、情報の洪水の中を生き、様々な観念に操作され直観的・本能的に物事をつかみとることを忘れている。バルブをこじ開けるには、常識や価値観から離脱する勇気と無意識の破壊的なエネルギーを引き込む努力が必要だ。

今、ながくてアートフェスティバル2018 NAF文化の家Exhibitionのプランニングに取り組んでいる。プランニングというと堅苦しいが、僕の場合は、できるだけユルく構えて常にエスキースブックを手放さず、ふと思ったことをパッと描く。好きな言葉を書き留めておく。落書きしたくなったらそれも書く。ドローイングは無意識の自由で破壊的な動きにアクセスする手法である。はじめは主題を露呈するカタチを見つけるために描く。カタチを見つけると、それをクリアにするために描く。クリアになると制作上のプロセスをイメージしながら描く。プランニングから展示が終了するまで描き続けるので、100枚綴りのエスキースブックであれば、裏表描いても、わりとすぐに描き切ってしまう。

今回、僕の中には、迷うことなく向き合いたい主題がある。それは時折自分の中に訪れる、あの言い知れぬ感情である。それは写実系絵画を描いている中にも共通して発見することができるものだと思う。例えば、定光寺・千歳楼を描いていく中で遭遇した感情・・・表層的な感情が、時間の経過とともに洗い流され、空虚となったところに押し寄せてくる、あの深い感情・・・。それにカタチを与えることができないか…と思うのである。

今回の展示は、作品単体による完結性よりも、空間全体を使って一つの主題に迫る構成で考えている。自分の趣味性は抑え、極力シンプルな造形をするかわりに、ひとつひとつの作品を暗喩的なメタファー(媒介)として扱い、寓話的なアプローチで主題に近づこうと思う。良し悪しは別として、この手法は自分に合っているように思う。

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