ポリティカルな物体

これはもちろん美術作品ではない。定光寺・千歳楼から東へ7km行ったところにコンビニエンスストアがあり、これは、その付近の倉庫の前に放置されている廃棄物である。この前を通る度に、僕のアンテナが幾度となく反応してしまう。なんと面白いオブジェなのかと・・・。で、ついに僕は写真に撮ってブログで紹介してしまう(^^)

日常をよく観察すると、時折こういう物たちと遭遇する。無作為に置かれた造形物であるが、期せずして現代アートに近い強いインパクトを発信する物たち。この物たち自体には中身がないが、どこかコンセプトの付与を待ち望んでそこに在るように僕には見える。

このコンポジションには、ポリティカルな主題を挿入することが可能ではないだろうか?圧倒的な存在感を主張する錆びた配管やそこに詰め込まれたゴミは、政治的圧力や情報化社会の疲弊を象徴し、背を向けたカーシートは、利便性の追求の果てに衝突をまぬがれ得ない現代人の苦悩を象徴している…と僕は好き勝手に見立てて楽しんでいる。

このオブジェのシニカルな配置は、僕の大好きなアルテ・ポーヴェラの(イタリア語:Arte Povera、和訳『貧しい芸術』、1960年代後半のイタリアの先端的な美術運動)作家たちが扱う政治的主題へのアプローチと非常に似ている気がする。ピーノ・パスカーリは、このような円柱状の物体の構成を扱っているし、またジュリオ・パオリーニは背を向けたギリシャ彫刻のコンポジションによってそれを可能にした。さらに彼らの芸術運動の系譜は、ジョルジョ・デ・キリコの形而上絵画に遡ることができる。

・・・美術館に行かなくても、自分のオリジナルな見立てによって天然ものの現代アートを楽しむことができる。これは僕の、遊びを兼ねた、ちょっとしたトレーニングでもあるのだが。

 

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