いよいよ明日から

 

 

今日は午後より素描展の搬入・展示作業を行った。エントランスの草取りから始まり、タイルや窓の洗浄、ショーウィンドウの設置、配置決め、作品の設置、ライティング、キャプションの貼り付けに至るまで、すべてが滞ることなく、完璧な流れで展示することができた。オーナーの井村氏の展示に対する配慮は、並みならぬものがあり、丁寧かつ無駄がなく、一緒に展示に関わって学ぶところが多かった。遠方のためギャラリーに訪問できない方のために展示の様子を紹介させていただきたい。(ご来場いただける方は、ぜひご高覧よろしくお願いします。)

展示の詳細情報は、http://studio-bosque.com/2018/08/28/sobyoten/へどうぞ。

【展示の様子】

【ピックアップ】

本展示のイメージコンテンツとなった作品。B系の鉛筆を柔らかく使って描いている。近くで見ると紙の風合いが生きていて描き込みに味がある。純粋な観察眼が感じられ、林檎の香りや手に持った時の重さが伝わってくるようだ。

 

 

ドールハウスに縫いぐるみという、モチーフのチョイスに作者のユニークな世界観が感じられる。縮小されたイミテーションの世界をリアルに描くことで虚構と現実が交錯する面白さがある。床面を半ば非現実的なまでに黒くすることで、白を基調としたドールハウスが鮮明に浮き上がってくる。ハイキ―な色調にセンスが感じられる作品だ。

 

 

作者は、「和」が生み出す伝統美に強い関心を寄せている。畳に置かれた狛犬は実物を大きく拡大して描いたという。陶器の質感や畳の目のひとつひとつに至るまで、対象への愛情が感じられる。近くで見ると、鉛筆のタッチが見当たらず、「擦筆を3本折ってしまった」という作者の体験談からも、静謐さの中にも作者の熱い情熱が感じられる。

 

 

拙作「Choker」F30号 鉛筆。額装はターコイズブルーのフレームをチョイスした。

 

 

拙作「月の使者」B1 鉛筆。額装はアンティーク・シルバー。「入り口から一番よく見える場所へ」と、井村氏は年長者の自分に配慮して下さった。

 

 

会場の中でひときわ異色なこの作品は、マグロの頭をスケールアップして描いたもの。作者はこれまで様々な「食材」をデッサンの対象として描いてきたそうで、この独創性について個人的に魅かれるものがある。パネルにモデリングペーストを直塗し、練り木炭で描いたという画面は、意図的にクラッキングを生じさせてあり、迫力のある効果を生んでいる。どこか戦後日本のシュールレアリスムにも通じる強いインパクトを与える作品だ。

 

 

ギャラリーオーナーの井村和寛氏の作品。タイトルは「光殻」・・・。中央に配置された円形の皿のシンメトリーは、新聞紙の幾何学的な構成によって中和され、解体されたカニの有機的なフォルムを引き立てている。画面構成に心にくいセンスが感じられる作品だ。柔らかい陽光によって、物質感が薄らいだ皿の表面は、対比によってカニの甲羅の物質感をより強く引き立てているようだ。鏡面のように磨いたジェッソ地に木炭と鉛筆を併用して描いたこの作品は、やや褐色系の木炭の色調によって温かみのある柔らかさを生み出し、見る者を地よい気持ちにさせる。

 

 

いよいよ明日から展示が公開される。井村氏は「対象を見つめ続けた時間の長さは、作品のクオリティに比例する。」と言う。僕の見たひとつの世界は、見に来てくれた人に何かを伝えることができるだろうか。心が高鳴る9日間となりそうだ。

 

 

 

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