心が疼く・・・!

「ここは赤道直下なのか?」と見紛うごときスコールのような雨が上がると、胸をすくような美しい虹があった。ぽっかり開いた晴れ間の空に、まるでブラシで掃ったような光の痕跡。それはまるで丁寧に束ねられた光のブーケのようだ。

 

昨日は、素描展のオープニングレセプションだった。まだ興奮が冷めず、心が沸き立っている自分に気づく。一枚の素描を描く中で、対象と真摯に向き合い、極限まで描き切る・・・。「見たものを見たままに描く」というシンプルな行為に、なぜこんなに心が震えるのだろう。僕よりずっと若い学生たちの真面目さ、ひたむきさ。彼らは毎日確実に何かを吸収し、変化し成長していく。そんなエネルギーに満ちた人の輪の中に、自分も加わることができて本当に嬉しい。

昨日の講評会は、夜11時にまで及んだ。全力で描いた人たちの言葉は、ひとりひとり、力に満ちている気がした。

 

心が疼く・・・!

僕は、もっともっとデッサンを描き続けたい。今ここにある、心震えるような気持ちを伝えたい。

 

仕事が終わると、じっとしていられなくて画材屋へ直行し、パネルを3枚と刷毛を購入した。昨夜、井村氏が公開した超絶技巧が頭から離れない。このパネルにジェッソを薄く積層していくのだ。とにかくやってみるのだ!そう。僕の前にあるのは、ただひとつ、やってみること。選択肢はないのだ。

 

虹。虹といえば、時々僕は「砂嵐レインボー」という謎の儀式のようなことをする。描けない時、描く元気が出ない時、僕は「砂嵐レインボー」の儀式をやるのだ。昔のブラウン管テレビは、深夜になると「砂嵐」と呼ばれる荒れた白黒のザラザラが映し出されていた。言わばあれは、テレビの「未受信」な状態だ。

ある時僕は、描けない時の「描けない」と思うことを止めたのだ。「僕は今、未受信なのだ。だから電波をキャッチするまで待っている状態なんだ。」と思うようにした。そこで生まれたのが「砂嵐レインボー」だ。筆に好きな色の絵の具をつけてひたすら縞々を描く。難しさのかけらもない作業が心を癒し活力を生み出していく。消えかけた創造の火に空気を送るような、僕のオリジナルな儀式。虹のようなストライプは、フォルムを変えて創作のアイディアを生み出してくれる。

心が疼く・・・!  もはや、何も描かないわけにはいかない。

 

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