絶対やめとけ!!

彼女が煙草をふかす時

もし、タイムマシンがあったなら、人生やり直したいことは山ほどある・・・。そんな思いをもつ者はきっと僕だけではないだろう。あの時、もう少しがんばっておけばと悔やんだり、後々失敗するとわかっていれば容易に避けられたことを悔やんだり。「後悔、先にたたず」という、ことわざがあるが、僕の場合は「後悔、後を絶たず」と言った方が適切かもしれない。(笑)自分の無様な行いは、過去を振り返れば枚挙にいとまがないが、そんな中で端的でわかりやすいのが「タバコ」だろう。

 

芸大の学部時代、僕はまわりの友人たちに比べ、自分が子どもっぽく思えるのが嫌で、一刻も早く大人になりたかった。(しかし実は、そう思う時点で「おこちゃま」なのだが・・・。)地方から親元離れて下宿していた友人たちは、仕送りもそこそこで半分くらいはバイトで生計をたてている者が多かったし、中には自分で学費を稼いで納めていた者もいた。そんな友人たちと比べ、実家暮らしでぬくぬくしていた僕は、「早く自立したい」という思いにかられ、芸大3年生の頃から、長久手に家賃1万7千円の長屋の一室を借りてひとり暮らしをはじめた。

 

折しもそんな頃、芸大卒業後もたくましく作家活動を続けている先輩たちと交流をもつようになった。ギャラリーの搬入搬出のバイトをすると、先輩の誘いでそのまま飲み会に連れて行ってもらう機会もあった。

当時は、分煙などない時代だったし、飲み会となれば大抵みな、タバコを取り出して、うまそうにプカプカやっていた。ジッポーのライターでシャキンといい音たてて火をつける先輩たち。

「あれ、森君は吸わないんだ、へえ。珍しいね。」

…なんて言われた日には、僕だけ吸わないのも嫌で、恐る恐る火をつけてみたのだった。はじめてのタバコは、煙が香ばしいなと感じた程度で、何も驚くようなことはなく、しばらくまわりの先輩たちの口パクのまねごとを繰り返していただけだった。

信じがたいことに僕は、タバコの吸い方すらろくに知らなかったのだ。しかしそのうち、先輩たちのタバコの吸い方と自分のそれが違うことに気づき、タバコの煙を肺まで深く取り込んだとき衝撃が走った。

クラクラクラクラクラ・・・(@_@)なんだこの感覚・・・!やばい!クセになるかも!

2002 自画像

それから僕の喫煙数は日に日に増えて行った。

朝起きて一本、トイレに行って一本。食事後に一本。コーヒーを飲むと一本。風呂上がりに一本。運転中に一本。要は何であれ行動の節目ごとに一本吸ったのだ。たまに飲み会やドライブに出かけたときに吸い過ぎて、吐き気がしたが、吐き気を沈めるためにまた吸った。

着衣がタバコ臭くなり、歯はヤニで黄色く染まり、夜寝ても深夜に目が冴えてまたタバコを吸った。

僕のお気に入りは、マイルドセブンライトやキャスターで、たまにピースを一日平均1~2箱は吸っていたように思う。

 

ネットでタバコの価格表を調べると、芸大時代はたしかひと箱220円だったが、社会人になるころには250円となり、僕がタバコを止めた2011年には300円、さらに現在では440円以上にもなっている。

 

僕は一体、タバコにいくら出費したことになるだろう。

計算するのも恐ろしいのでやめておくが、膨大な額になることはまちがいない。

タバコで得するものは何もない。

健康を損なう。

気分が煙草に支配されてしまう。

お金がドブに流れていくように消えていく。

思っていたほどかっこよく見られないどころかまわりの人たちから臭いと嫌われる。

(※タバコを吸ってかっこいい人は、吸わなくてもかっこいい人だと思う。)

何度か禁煙を試みるが、タバコがきれてくると、気管支がむずむず痒くなって吸わずにいられずまた吸ってしまう。

 

結局僕は、2011年夏に心療内科で受けたカウンセリングと薬物投与による「禁煙外来」で禁煙が成功するまでの約20年間タバコを吸い続けたのだ。もし、タイムマシンがあったなら、僕は22歳のあの頃まで遡り、昔のオレに言ってやりたい。

 

 

「おい!そこのオレ!タバコはやめとけ。損なことしかないから、絶対やめとけ!」

 

 

2002 永覚町

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絶対やめとけ!!” に対して1件のコメントがあります。

  1. 荒川佳子 より:

    私も友達が吸ってるのを見てタバコを始めてしまいました( 若気の至りね )それは昭和の時代の話。 平成の御代になって きっぱりと やめました (-.-)ノ⌒-~ ( 意志が強いでしょ ) 今でも タバコの香りは嫌いではないです。特に 両切りピースの香りは とても好きです(^-^;

    1. Masaki Mori より:

      自分の意志の力で禁煙できたなんてすごいですね!
      僕の場合、禁煙するものの、灰皿に捨て忘れたシケモクを見つけると火をつけて吸ってしまい、結局ヘビースモーカーに逆戻りでした。
      まわりから散々言われてやっとやめました。
      いまだにタバコを吸う夢をみます。ピースは確かに香りがいいですよね。
      箱のデザインや紙の巻き方が好きで、ちょっとお高いけど好きな銘柄でした。

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